生体認証の誤認証

生体認証の誤認証

2000 年に横浜国立大学の松本 勉教授は、「指紋をシリコンやグミで偽造して、指紋認証を通ることができる」という実験結果を発表しました。

指紋の偽造は、以下の手順で行われます。

  1. 指先に、温めて柔らかくなったシリコンの塊を押し付ける
  2. 指紋の型が取れたら、温めたグミを流込む
  3. 冷蔵庫で冷やせば完成

朝日新聞社「AERA」2006 年 4 月 3 日号に、「生体認証は信用できない」という記事が載りました。

この記事によると、松本教授は様々な生体認証で、以下の実験を行っています。

  1. 人工物で登録可能か
  2. 人工物で登録したものを人工物で認証可能か
  3. 人工物で登録したものを生体で認証可能か
  4. 生体で登録したものを人工物で認証可能か

一般に入手できる 19 機種の指紋認証装置では、全機種とも 80 〜 100 % の高確率で 4 つの実験を通ってしまいました。

更に、上記の「指紋の偽造」で述べた手順のような「本人の協力」がある場合だけでなく、コップに残った指紋を利用した実験でも誤認証の確率は同じでした。

指静脈認証では、指の形に切った大根にラップを巻いて実験を行い、1, 2 を通過しています。

松本教授は、虹彩認証についても同様の実験をしました。

  1. 赤外線デジタルカメラで、虹彩を撮影する
  2. 写真を上質紙に、レーザープリンターで印刷する
  3. 写真の瞳孔部分を切抜いて、眼鏡に貼ったり眼球の前に置いたりする

一般に入手できる 4 機種の虹彩認証装置でも、機種により 4 つの実験を通ってしまいました。

メーカー側は「指紋や静脈や虹彩のパターンだけでなく、生体反応も調べている」としていますが、生体認証といえども過度の期待は禁物です。