指紋認証
東京都中央区明石町 8 の聖路加国際病院と聖路加ガーデンの間の路上に、「指紋研究発祥の地」という石碑があります。
ヘンリー・フォールズ住居の跡
ここは明治初年にあった築地居留地の 18 号地で英国人医師ヘンリー・フォールズ (1843 〜 1930) が明治 7 年 (1874) から同 19 年 (1886) に至る滞日中に居住した所である
フォールズはスコットランド一致長老教会の宣教師として来日しキリスト教布教のかたわら築地病院を開いて診療に従事しまた日本人の有志とはかつて盲人の保護教育にも尽力した
彼はわが国で行なわれていた指印の習慣に興味をもちたまたま発掘された土器に印象されていた古代人の指紋を発見しこれにヒントを得てここではじめて科学的な指紋の研究を行なった
明治 13 年 (1880) 10 月英国の雑誌「ネーチュア」に日本から投稿した彼の論文は科学的指紋法に関する世界最初の論文といわれその中で早くも犯罪者の個人識別の経験を発表しまた指紋の遺伝関係にも言及している
明治 44 年 (1911) 4 月 1 日わが国の警察においてはじめて指紋法が採用されてから満 50 年の今日ここゆかりの地に記念碑を建立しその功績をたたえるものである

19 世紀初頭、イギリスのヘンリー・フォールズ Henry Faulds という考古学者が、日本で縄文式土器の発掘に携わり、土器の表面に残された指紋を発見しました。
フォールズは、たくさんの土器に付着した指紋を比較しているうちに、それぞれの指紋が異なることに気付きました。
医者でもあったフォールズは、イギリスに帰国後、当時のイギリス人の指紋を集め、「指紋は 1 人 1 人異なる」という論文を発表しています。
日本の警察が、犯罪捜査に指紋認証を導入したのは 20 世紀になってからです。
犯行現場に残った指紋をセロファンに写し取って、指先に朱肉を付けて紙に採取した指紋と重ねて肉眼による確認を行っていました。
1970 年代になるとコンピューターが発達して、画像処理による指紋認証が可能になりました。
現在では、数百万の指紋データベースから数秒で該当者が割出されます。
21 世紀に入ると、コンピューターの小型化・高性能化・低価格化により指紋認証が広がり、生体認証の約 90 % を占めています。
指紋認証は様々な試行錯誤を経て、エドモンド・ロガードによる「マイニューシャ minutia 方式」(minutia は「指紋の特徴」の意味で、ラテン語で「小さなもの」「詳細なもの」を表す minutiae が転じた単語)に到達し、指紋の端点や分岐点を比較して 10 〜 12 個が一致したら同一とするようになりました。
指紋認証には、以下の特徴があります。
- 長所
- 装置の小型化・低価格化が可能
- 指紋認証装置は、指先よりも一回り大きい程度
- 操作が簡単で、時間も掛からない
- 指紋をセンサーに認識させるだけ
- 認証精度が高い
- 他の生体認証に比べ、誤認証が少ない
- 犯罪抑止効果がある
- 指紋認証装置があると心理的抵抗が生じて、犯罪が起きにくい
- 装置の小型化・低価格化が可能
- 短所
- 指先は怪我をしやすい
- 指先は酷使されるので、怪我を負う可能性が高い
- 指先が濡れていると、認証できない機種が多い
- 汗や雨などは認証前に拭かねばならない(圧力式センサーは認証できる)
- 不潔感がある
- 不特定多数が利用する場合、衛生面で問題がある
- プライバシー
- 指紋の採取は、犯罪者扱いと感じられる(セキュリティ用の指紋認証は犯罪捜査用とは異なり、実際の指紋画像を保持せず、特徴的なデータしか利用しない)
- 指先は怪我をしやすい
