振り込め詐欺とレンタル携帯電話
2006 年 4 月 1 日に「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律(携帯電話不正利用防止法)」が施行され、振り込め詐欺に用いられる携帯電話が、他人名義やプリペイド式からレンタルになりました。
2007 年の振り込め詐欺の被害総額は約 250 億円で、使われた約 4000 台の携帯電話のうち約 1/4 がレンタルでした。
警察庁によると、2005 年頃からレンタル携帯電話による振り込め詐欺が増え始め、2007 年には 60 の会社・個人名義の 1070 台が使用されて、1 社で約 200 台を契約していた業者や、1 人で約 30 台の名義人になっていた業者社員もいました。
2007 年に逮捕されたキングこと東京都府中市の無職・戸田 雅樹容疑者 (29) が統括していた大型の振り込め詐欺グループは、約 40 台のレンタル携帯電話を利用していました。
携帯電話不正利用防止法では、携帯電話会社や販売代理店が利用契約を結ぶ際、運転免許証などによる本人確認や記録の作成・保存を義務づけています。
しかし、レンタル業者が携帯電話を貸与する場合には、氏名や法人名・住所・電話番号の確認を求める規定はありますが、具体的な確認方法まで定められておらず、業者が「確認した」と主張すれば責任を追及することは困難です。
携帯電話のレンタル事業は誰にでも開業でき、1 台 1 〜数万円で貸し出して回収せず、実質的に転売する業者も多くいます。
実際には以下のようなレンタル業者がおり、いずれも携帯電話を回収していませんでした。
- 申込者の自称をノートに記載するだけ
- 申込者は実在する多重債務者の運転免許証を最初だけ提示し、その後は繰返し何台も借りる
自民党と公明党のプロジェクトチームはレンタル携帯電話の規制を強化する方向で協議し、2008 年 6 月に本人確認を義務づける携帯電話不正利用防止法改正法が成立しました。
12 月までに施行されるので、警察庁はその後におとり捜査を行う予定です。
おとり捜査は銃器捜査などで導入されていますが、銃器は禁制品なので銃刀法により譲受を免責する規定を設けています。
その点、携帯電話の端末機は合法であるため、新たな法改正の必要はありません。
